読書日記 [読書]
Where Our Food Comes From: Retracing Nikolay Vavilov's Quest to End Famine
- 出版社/メーカー: Shearwater
- 発売日: 2008/09/12
- メディア: Kindle版
ロシアから飢餓を無くすため、一生かけて世界中の種子を収集したヴァヴィロフさん、最期はルイセンコに敗れて獄中で餓死するのね。かわいそうだわん。
Bad Food Britain: How A Nation Ruined Its Appetite
- 作者: Joanna Blythman
- 出版社/メーカー: Fourth Estate Ltd
- 発売日: 2006/06/05
- メディア: ペーパーバック
イギリス料理がまずいといわれているのはイギリス人自身もよく知ってるそうで。ところが最近はイギリスはグルメの国になったと自己宣伝しているが、笑止千万である!とイギリス人自身が書いた本。この人が指摘するイギリス人が未だに味覚音痴である証拠:1.テレビでやたらグルメ番組が多い(自分で食べるかわりに他人に食べてもらいたいから),2.イタリアン→中華→フレンチのような国籍ごたまぜのコースを平気で食べる(何を食べていいかわからないから)、3.ヨーロッパ一レトルト・冷凍食品技術が進んでいることを自慢する(そういうものがおいしいと信じているから)。ふむふむと読みつつも、その多くは日本にもあてはまるから笑えない。
読書日記 [読書]
The Third Plate: Field Notes on the Future of Food
- 作者: Dan Barber
- 出版社/メーカー: Penguin Press HC, The
- 発売日: 2014/05/20
- メディア: ハードカバー
ペジョータ豚というのはドングリを食ってるというからてっきり森に住んでるのかと思ってました。アレは羊牧場にいるんだって。へー100点。食材と環境は切り離せないと教えてくれる本、おもしろすぎ。
American Catch: The Fight for Our Local Seafood
- 作者: Paul Greenberg
- 出版社/メーカー: Penguin Books
- 発売日: 2015/06/30
- メディア: ペーパーバック
アラスカのシャケ、ルイジアナのエビ、アメリカでたくさん採れる海産物の大半をアジアに輸出し、かわりに自分たちが食べる海産物は輸入してるのは変だろうと。
Pretty Good Number One [読書]
Pretty Good Number One: An American Family Eats Tokyo
- 作者: Matthew Amster-burton
- 出版社/メーカー: Createspace
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: ペーパーバック
"東京に比べるとシアトルはfood desertである”。美味しんぼを愛読し、山岡士郎の分身と自称するアメリカ人が一ヶ月東京で食べまくる本。もうすぐ日本語版が出るとか。
ほとんどがB級グルメなんだけど、伊勢丹にいったときの話がおもしろい。”トーキョーのデパ地下はボルヘスのバベルの図書館のようだ”。また、ピエール・エルメとサダハル・アオキが軒をつらねているのに仰天。気になったので調べてみたら、アメリカにはエルメもアオキもない(ラデュレはNYにある)。なんでこの人そんなにパリのパティスリーに詳しいのか。だいたい、目白のエーグルドゥースのケーキがおいしいとか、なぜアメリカ人が知ってる?この人相当できるわね。
Mastering the Art of French Eating [読書]
Mastering the Art of French Eating: Lessons in Food and Love from a Year in Paris
- 作者: Ann Mah
- 出版社/メーカー: Pamela Dorman Books
- 発売日: 2013/09/26
- メディア: ハードカバー
夫が外交官なもんでパリに転勤になってフレンチ三昧って、ジュリア・チャイルドそっくりなんだけど(本人もそういってる)、この人の場合はコルドンブルーに通うわけではなく、地方を回って色んな人にインタビューしてフードライターになりたいと。内容は。。。あまり参考にならず。やはりアメリカ人なのか、とにかくお肉、とにかく大盛り大好き、フォンデュもアリゴもカスレも全部底までたいらげる信じられない健啖ぶり、日本人にはちょっと辟易する。もっともこの人中国系2世らしいが、東洋人もあちらで育つとこうなるのか。
We'll Always Have Paris: American Tourists in France Since 1930 [読書]
We'll Always Have Paris: American Tourists in France Since 1930
- 作者: Harvey Levenstein
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr (Tx)
- 発売日: 2004/12
- メディア: ハードカバー
アメリカ人のフランス観光の歴史。
スタローンが人気絶頂だった頃、パリで爆弾テロ騒ぎがあってスタローンはカンヌ映画祭をキャンセルした。”ランボーは臆病者”、フランスのスタローン人気はガタ落ちしてしまった。爆弾騒ぎやドル安のたびにアメリカ人観光客は激減し、そのたびにフランス政府は対策に躍起となった。何十年も前から対策はいつも同じ、”笑顔で観光客を迎えましょう”。効果はあったのかなかったのか、ニコリともしないパリの店員に心が折れる思いをするのは日本人だけではない。
日本人が大挙して来るようになる何十年も前からアメリカ人はフランス詣でをしているので、レトロな逸話がおもしろい。カフェ・ドゥーマゴを占拠してサルトルが来るのを待つ(もちろん絶対来ない)。南仏ではピカソと記念写真を撮る(ピカソはボキューズのように記念写真好きだった)。ホテルリッツにはヘミングウェイバーというのが誇らしげにあるが、ヘミングウェイは酔っ払って狼藉を働くのでパリのホテルは嫌がっていた。云々。
The Noodle Narratives [読書]
The Noodle Narratives: The Global Rise of an Industrial Food into the Twenty-first Century
- 作者: Frederick Errington
- 出版社/メーカー: University of California Press
- 発売日: 2013/08/02
- メディア: ペーパーバック
世界のインスタントラーメンの人類学的研究。同じく全世界に進出しているマクドナルドとコカコーラはとかく攻撃される(=邪悪なグローバル企業)のに、百福さんが発明したラーメンは誰も攻撃しない。なぜか。ハンバーガーとコーラはアメリカ文化を体現してるけど、ラーメンは何ら文化を運んでいないから。いわばインスタントラーメンとは零度の食物である。百福さんは全人類の幸福のためにラーメンを発明したそうだが、結構実現してるのかも(日清よりマルチャンの方が世界シェアは高いらしいが)。
The Taste of War [読書]
The Taste of War: World War II and the Battle for Food
- 作者: Lizzie Collingham
- 出版社/メーカー: Penguin Press HC, The
- 発売日: 2012/03/29
- メディア: ハードカバー
第二次大戦を食料獲得の戦いと読み直した目からウロコ本。まあ、ほとんどがstarvationの陰惨な話なんだけど、おもしろいのは旧日本軍が日本人の体格向上のため洋食(肉食)を採用した話、自国料理でないものを提供する軍隊は世界的に珍しい先進的な試みとか。